封印再度

封印再度　WHO INSIDE Ｓ＆Ｍシリーズ (講談社文庫)

【あらすじ】

50年前、日本画家・香山風采は息子・林水に家宝「天地の瓢」と「無我の匣」を残して密室の中で謎の死をとげた。不思議な言い伝えのある家宝と風采の死の秘密は、現在にいたるまで誰にも解かれていない。そして今度は、林水が死体となって発見された。二つの死と家宝の謎に人気の犀川・西之園コンビが迫る。

面白かったです。
トリック自体は日常系ミステリとかでよく見る感じだったり、読者これ推理できなくね？って感じだったりですが、今まで以上にキャラに重点が置かれていて、犀川先生の考え方とかが面白いなあと思いました。
その結果ラブコメ要素が3分の1ぐらいの頁数を使ってますが笑

“犀川は、もともと教育なんて行為を信じていなかったし、自分が教育者だなんて自覚したことは一度だってない。教育者には、ものを教えることができるという、という思い上がった信念が存在する。それが犀川にはまったく馴染めない。手を出さない子供にお菓子を与えることができないように、教育を受けるという動詞はあっても、教育するという概念は単独では存在しえないのである。”

僕は作者の考え方が表れている小説が好きで、森博嗣の考え方がとても好きです。