[映]アムリタ

ツイッターで推していたフォロワーさんがいらしたので、気になりまして読んでみました。野崎まど。

[映]アムリタ (メディアワークス文庫 の 1-1)

[映]アムリタ (メディアワークス文庫 の 1-1)

【あらすじ】

自主制作映画に参加することになった芸大生の二見遭一。その映画は天才と噂されるつかみどころのない性格の女性、最原最早の監督作品だった。最初はその天才という呼び名に半信半疑だったものの、二見は彼女のコンテを読み始めた直後にその魅力にとりつかれ、なんと二日以上もの間読み続けてしまう。彼女が撮る映画、そして彼女自身への興味が二見を撮影へのめりこませていく。そしてついに映画は完成するのだが―。

映画を題材にした読み物でありながら、一種のミステリーだなと思いました。いや、観客側が解ける謎があるというわけではないのですが。

映画を「読む」という感想を抱かせる作品です。小説中の登場人物は、望むと望まざるに関わらず、いわば、最原最早という監督の撮る映画のキャラクターを演じさせられているわけです。
つまりこの小説そのものが映画といっても良いのではないでしょうか。
上手く説明はできないので読んでみてください。読みやすいし、ページも多くないのですぐ読めると思います。
少し感情が伝わりきらないせいで無茶に思えるところもありますが、とても面白かったです。天才を極端な存在として書くところは城平京先生と似ているところがあるななと思いました。