箱庭図書館

読んでよかったです。

箱庭図書館

【あらすじ】

少年が小説家になった理由。コンビニ強盗との奇妙な共同作業。ふたりぼっちの文芸部員の青くてイタいやりとり。謎の鍵にあう鍵穴をさがす冒険。ふと迷いこんだ子どもたちだけの夜の王国。雪の上の靴跡からはじまる不思議な出会い。集英社WEB文芸「RENZ ABURO」の人気企画「オツイチ小説再生工場」から生まれた6つの物語。

とてもとても良い小説でした。

他人のボツになったアイデアを募集してリサイクルするという方法で作られた作品
文善寺町という町を舞台にした6篇の短編集です。

青春絶縁体、王国の旗、ホワイトステップが特に好きです。

青春絶縁体はぼっちの青春物語。イタイタしくも愛おしくなるような話です。
王国の旗は僕の理想とする幼少期を描いていました。こんな風に暮らしてみたかった。
ホワイトステップは秀逸な作品です。乙一自身もあとがきで書いてましたが乙一っぽい話です。
雪が平行世界を繋ぐ話です。

とてもとても良い小説なので心が疲れた時に読んで欲しいと思います

世界観に魅せられてその世界に入り込んで読んじゃうような作品を見終えた時のおいてかれてしまう苦しさはなんなんだろうな。空知が銀魂でラピュタを引き合いに出して言ってたことと全く同じことなんだけど、すごく苦しくなります。空知はラピュタを観ている間すごく感情移入してその世界に入り込んでるのに、エンディングになると自分だけ置いていかれるような寂しさがあって、それが嫌だから自分で物語を作る側の人間になろうと思って漫画家になったと銀魂のどっかで書いてました。