死なない生徒殺人事件―識別組子とさまよえる不死

野崎まどの3作目

【あらすじ】

「永遠の命を持った生徒がいるらしいんですよ」生物教師・伊藤が着任した女子校「私立藤凰学院」にはそんな噂があった。話半分に聞いていた伊藤だったが、後日学校にて、ある女生徒から声をかけられる。自分がその「死なない生徒」だと言ってはばからない彼女だったが、程なく彼女は何者かの手によって殺害されてしまう―。果たして「不死」の意味とは?そして犯人の目的は!?

今回はミステリチックな作品でした。(とはいえトリックを推理させるものではないですが)
キャラが立っているためとても読みやすかったです。そういう意味でライトノベルとして上手いのではないでしょうか。
序盤、中盤ととても面白かったのですが、登場人物の少なさと、状況の簡易さから、オチが中盤で分かってしまいました。
野崎まどを3作読んでみて分かったのですが、設定ありきな小説で、複雑さが足りないため、終盤にかけて拍子抜けしがちです。決してグッドエンド円満解決とはいかない終わり方も内容が薄いため軽薄さを感じてしまいます。[映]アムリタはその辺を上手く書いていたためにあの終わり方でも納得できた面白かったですが・・・
まだ5作品しか出していないので今後どうなるか、わからないため期待を込めてブックオフで見つけたら読もうと思います。