少女不十分

少女不十分 (講談社ノベルス)

少女不十分 (講談社ノベルス)

【あらすじ】

少女はあくまで、ひとりの少女に過ぎなかった…、妖怪じみているとか、怪物じみているとか、そんな風には思えなかった。―西尾維新、原点回帰にして新境地の作品。

初めて西尾維新を読んだ。
よく人から西尾維新を読んでそうだと言われるけど今まで読んだことなかった。性格が子供っぽかったり理屈っぽいからそんなこと言われるのだろうか・・・不本意
これを始めに読んで良かった。西尾維新を好きになれるかもしれない。

話に山があるわけでもなければテンポも悪く、ページ数4分の1で書ききれるだろみたいな小説だけど(他の西尾維新を読んだことがあるわけじゃないのでわからないけれど、西尾維新の売りはそういう回りくどいセリフ回しなんだろうけど)僕はこの小説好きです。内容は薄っぺらいものだけどね。

ドキュメントと言う割に登場人物の動きに無理がありすぎで虚構だとしか思えないし、不満点不審点たくさんあるけれど、僕はこういう作者の創作に対しての意思が現れる話が好きで(これは音楽にも言えて、だから夜のコールとかイノセントとかすごく好き)、救いのある話が好きなのだ。
人が救いを求めるがどうしようもなく好きなのだ。

この人回りくどい文章書きつつも短文で的を射た表現するのも上手いね。本の背表紙に書いてある「少女」と「僕」の不十分な無関係とかこの本を的確に表してる上手い表現だと思うし。