君は永遠にそいつらより若い

君は永遠にそいつらより若い

君は永遠にそいつらより若い

【あらすじ】

身長175センチ、22歳、処女。いや、「女の童貞」と呼んでほしい―就職が決まった大学四年生のだるい日常の底に潜む、うっすらとした、だが、すぐそこにある悪意。そしてかすかな希望…?第21回太宰治賞受賞作。

津村 記久子初めて読んだ。この作者の本はタイトルに惹かれるので他にも読んでみたい。

こういう類の本にどういう感想を抱けばいいかわからない。
誰にも感情移入できないからだろう。作者の捉える世界と僕の捉える世界とが乖離しすぎてしまっているのかな。
例えばホリガイさんは女版童貞だと自分を言うけれど、確かに変な人ではあるが、人から好かれないような、性格に決定的に難があるような人にも思えなかったりして、考えすぎとしか思えなかったりした。
描かれている大学生活もただのリア充的生活であるしね。


女性作者らしいという言い方はあれだけれど、女性作者らしいうまく人間を観察してるなあという部分があったりして、うまいなあと何回か思った。主観に溢れた文章が女性作者らしさを感じさせるのかもしれない。
“他人にふれまわるほどではないが自分なりに充足していて、けれどその充足は孤独と同居しているというような、そんな感じの人だった”
この文章上手いなと思いました。

もっとじっくり、話を展開してくれたら名作だと思ったんだろうけど、ギャグ的な要素とテーマとのバランスが悪くて、終盤にあっさりと、かつ一気に畳み掛けるもんだからよくわからんまま終わってしまったというのが率直な感想。それはデビュー作だからかもしれない。
タイトルの付け方が秀逸。

うーん、うまく感想を持てないな。自分の中で噛み砕いて読むことができなかった。