若きウェルテルの悩み

若きウェルテルの悩み (新潮文庫)

若きウェルテルの悩み (新潮文庫)

【あらすじ】

親友のいいなずけロッテに対するウェルテルのひたむきな愛とその破局を描いたこの書簡体小説には、ゲーテ(1749‐1832)が味わった若き日の情感と陶酔、不安と絶望が類いまれな抒情の言葉をもって吐露されている。晩年、詩人は「もし生涯に『ウェルテル』が自分のために書かれたと感じるような時期がないなら、その人は不幸だ」と語った。

面白かったです。
自殺ブームまで引き起こしたと言われるゲーテの著作。

大仰な表現は結構苦手だけど、恋に焦がれる人間の心理、行動をうまく描いててうまいな〜と思った。ゲーテ本人の体験を参照にしてるんだろうなと思ったらやっぱりそうだった。

“正直な話、僕はよく日雇い労働者になりたいと思う。そうすればせめて朝眼をさませばその日一日を過す目当てがあり、一つの欲求、一つの希望が持てるからね。”
恋い焦がれる相手と離れてる時の文章だけどこの気持ちはよくわかる。
強い恋をする、したことのある青年ならば誰しも共感を覚えるような文章がたくさんあって、人は昔から変わらないんだな〜という気にさせられる。

自殺擁護だと叩かれたらしいが、叩いた人はこの小説における自殺を全く理解していない。諦めによる自殺ではなく、天国で結ばれることに幸福を見出した自殺であるので、ウェルテルにとってはこれは救いなのだ。しかしウェルテルの感情、行動は恋ではあっても決して愛ではない。

メンヘラ小説
ウィキによると

菓子メーカーとして有名なロッテは、シャルロッテの愛称ロッテに由来する。

らしいよ。(シャルロッテはヒロイン)